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Salesforceで受注管理の実装時の傾向

Salesforceは標準機能だけでも受注管理を行えますが、業務要件とのズレ・運用設計不足・他システム連携の難しさが課題になりやすい傾向があります。
「案件から受注までは管理できるが、その先がうまく回らない」「現場が使いにくい」と感じる場合、Salesforce自体の問題ではなく、前提理解と設計不足が原因であるケースが大半です。

Salesforce受注管理における用語・前提整理

Salesforceで語られる「受注管理」は、以下のオブジェクトを前提に構成されます。

  • 商談(Opportunity):受注見込み案件。受注確度や金額を管理

  • 商談商品(Opportunity Product):商談に紐づく明細

  • 契約(Contract):継続取引や期間管理が必要な場合に使用

  • 注文(Order):受注後の正式な注文情報

標準では「商談=受注管理」と誤解されがちですが、受注後業務(売上計上・請求・出荷)まで含めるかどうかで設計の難易度が大きく変わります。

Salesforce受注管理でよくある課題パターン

1. 商談と受注の境界が曖昧

商談フェーズと受注確定の定義が不明確なまま運用され、
「いつが正式受注なのか分からない」状態に陥りがちです。

2. 明細管理が煩雑

商談商品を使っているものの、

  • 数量・単価修正が多い
  • 商品マスタと乖離するといった理由で、現場入力が負担になります。

3. 標準の注文(Order)が使われていない

Orderオブジェクトが理解されず、受注後も商談のまま管理してしまうケースが多く見られます。

4. 請求・会計システムと連携できていない

Salesforce内の受注情報と、
会計・基幹システム側のデータが一致せず、二重管理が発生します。

5. 現場定着せず形骸化

入力項目が多すぎる、業務フローと合わないなどの理由で、Excel併用が常態化します。

Salesforce受注管理に課題が生じる原因・背景

これらの課題は、以下の背景から発生します。

  • Salesforceが営業支援(SFA)起点の思想で作られている

  • 受注管理・販売管理を一気通貫で担う前提ではない

  • 導入時に「何をSalesforceで管理し、何を外部に任せるか」を決めていない

つまり、業務全体像を整理せずに機能だけを当てはめていることが根本原因です。

Salesforce受注管理における対処法の選択肢

1. Salesforceは「受注確定まで」と割り切る

商談〜受注確定までを管理し、
請求・会計・出荷は基幹システムに任せる設計です。

2. Order・Contractを正しく使う

標準オブジェクトを理解し、
「商談=見込み」「注文=確定」と役割分担を明確にします。

3. カスタムオブジェクトで補完

業界特有の受注形態(分割納品・サブスクリプション等)がある場合、
無理に標準へ寄せず、必要最低限のカスタマイズを行います。

4. 外部販売管理システムと連携

Salesforce単体で完結させようとせず、
API連携前提で役割分担を行う方が運用負荷は下がります。

Salesforce受注管理での注意点・失敗例

  • 最初から作り込みすぎる

  • 現場ヒアリング不足で設計する

  • 標準機能を理解せずに否定する

  • 受注管理=Salesforceで全てやると決めつける

特に多い失敗は、「Salesforceは何でもできる」という前提で設計し、結果として誰も使わない受注管理になるケースです。

まとめ

Salesforceの受注管理における課題は、機能不足ではなく、設計思想と業務整理の不足から生じます。受注の定義・範囲・役割分担を明確にすることで、Salesforceは受注管理の中核として十分に機能します。