異なる6つの事業の営業・販売管理のプロセスを共通化することで、業務の負荷の軽減と精度の向上、さらにスピードアップも実現しました。

左から東京支店 部長の中西宏彰氏・東京支店 課長の高月直樹氏

#1 ばらばらだった6事業の業務を統一化できる仕組みを導入したい

岡山を拠点に「運ぶ」ことに特化したビジネスを展開する両備グループ。グループ54社の中で、中核ビジネスとなる車両、運輸に関するビジネスを担っているのが両備ホールディングスです。そしてホールディングスが所有する2500台を超えるバスやタクシー、トラックなどの車両整備事業を行っているのが両備テクノカンパニーです。

両備テクノカンパニーでは車両の整備から派生して、車両のリースおよび販売、オフィス什器等の販売、セキュリティ事業、産業設備事業、産業電源事業、そして保険事業の6つを展開しています。これら6事業を担当する営業部門では「事業ごとに顧客が異なり、契約の形態も見積書のフォーマットもばらばらでした」と、両備ホールディングス株式会社 両備テクノカンパニー 東京支店 課長の高月直樹氏は言います。事業ごとにビジネスの進め方が異なる状況を解消し、なるべく1つに統一したい。それにより、業務プロセスの効率化を図りたいと考えていたのです。

以前はスケジュール管理や日報など、いくつかの仕組みを組み合わせて営業管理業務が行われてきました。その非効率な状況の刷新を検討していた2016年頃に出会ったのが、顧客情報を統合的に管理するクラウドサービス「Salesforce.com」だったのです。「さまざまな営業管理の仕組みを見ましたが、これはと言うものになかなか出会えませんでした。初めて良いなと思ったのが、Salesforceでした」と、両備テクノカンパニー 東京支店 部長の中西宏彰氏は言います。

そしてSalesforceの導入を検討している際に、販売管理の仕組みとして紹介されたのがSalesforceの上で動く「ウランバ!!」でした。案件引き合いから一気通貫で販売、請求、入金管理までできる仕組みを評価し、両備テクノカンパニーではSalesforceに組み合わせてウランバも採用することにします。

 

 

#2 毎月請求などの処理も自動化し請求管理の精度を向上して手間の削減も実現

2017年8月にSalesforceとウランバの導入プロジェクトがスタートし、6つの事業がスムースに進められるようカスタマイズを実施します。そして一通りのカスタマイズが終了した2018年3月からの2ヶ月ほどで、仮運用を開始します。「6つの事業で販売の仕方が異なっていたので、それを共通化するのには手間がかかりました」と高月氏。仮運用中に現場での意見を取り入れ、微修正を繰り返し、両備テクノカンパニーではSalesforceとウランバを組み合わせた新たな営業、販売管理の仕組みを2018年5月から本格的に利用を開始します。

以前は事業が異なると、同じ販売先でも別々に案件が管理されていました。それがSalesforceとウランバを導入して以降は、顧客企業ごとに販売データが統合管理され、どの顧客に何を販売しているかが一目で分かるようになったのです。「以前は事業ごとにExcelなどで行っていた案件管理も、Salesforce上に統一化されました。これにより情報の共有もしやすくなり、結果的に事業を横串で見られるようになっています」と中西氏は言います。

中西氏

また紙の書類に印鑑が必要だった見積もりなどの承認プロセスも、ウランバを使い電子化されています。さらにセキュリティ事業で取り引きしている警備会社などとの間では、毎月請求書を発行していますが、ウランバを導入することでこの請求書発行処理業務の自動化も実現しました。これにより請求業務の精度が向上し、手作業で行っていた事務作業が大幅に削減し、作業効率が大幅にUPしています。

さらに便利さを実感しているのが、過去の取引情報へのアクセスです。高月氏は2018年12月に岡山から東京に異動となりましたが、その際引き継ぎ時間を十分にとることができませんでした。しかしながらSalesforceで顧客との取引データが統合管理されているので、必要な顧客情報も企業単位で一括して見られるようになっています。「前の担当者が気になったことをコメントなどで残していれば、それもすぐに分かります。引き継ぎで顧客のことを把握するのに、Salesforceは多いに役立ちました」と高月氏。「もっと早くにSalesforceを導入していれば良かったです」とも言います。

高月氏

販売管理のウランバについては「初期段階で商品登録をして関連付けするところは苦労しましたが、そこはクラウズスパイスのサポートもあり十分に使えるレベルになりました」と中西氏。また「クラウズスパイスは、担当者が岡山に来てくれ、1ヶ月以上に亘り徹底したサポートをしてくれました」と高月氏。これらのサポートもあり、結果的には販売管理プロセス全体の精度がかなり向上しているとも言います。

#3 Salesforceとウランバのさらなる活用で業務改善だけではなくビジナス拡大に繋げる

両備テクノカンパニーでは、現在20名ほどの営業担当者がSalesforceとウランバを組み合わせた営業、販売管理システムを活用しています。ウランバはモバイル対応もしており、見積もりの承認などの処理は社外からスマートフォンなどで迅速に行える点も使いやすいと評価されています。

今後は経営会議に提供するようなさまざまなデータも、Salesforceをベースにし迅速かつ正確に提供できるようにしていきます。「これからは利用を徹底しSalesforceとウランバを業務の中でより活用していくことで、業務の効率化だけではなくビジネスの拡大につなげていきたいと考えています」と中西氏は言います。

企業情報:

両備ホールディングス株式会社 両備テクノカンパニー

営業本部 岡山市北区下中野717-103

設立 1964年(両備バス株式会社整備工場として誕生)

カンパニー長 両備テクノカンパニー 常務執行役員 木内直人氏

http://ryobi-techno.com/