2つのラーメン屋があります。味も値段もほとんど変わりません。一方の店は通路に小麦粉が積んであるなど、店内は雑然としています。もう一方の店は建屋が古くなっているものの、掃除が行き届いていています。どちらの店に入りますか?

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「5S」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)。頭文字がすべて「S」であることから「5S」と言われます。この5S、製造業の現場で聞かれることが多く、現場改善の第一歩と考えられていますが、売上アップにも関係があるってご存知でしたか?

先ほどのラーメン屋で言えば、最初の店が5Sのできていない店、後の店が5Sのできている店です。他の条件が同じであれば5Sのできている店に入りたいと思いませんか?お客さんが入りたいと思う店の売上は上がります。では、5Sのできている会社の売上がなぜ上がるのかをご紹介します。

 

# 整理、整頓ができる会社は売上が上げる

「整理」は不要なものを捨てることです。「整頓」は物の置き場を決めて、使いたいときに使える状態にしておくことです。コスト削減になるのは分かりますが、売上にはあまり繋がりそうにみえません。本当にそうでしょうか?

整理・整頓ができていると作業の効率が上がります。効率が上がると納期短縮や人件費削減に繋がります。その他にも整理・整頓ができていると過剰在庫など無駄な出費も抑えられるので経費も圧縮することができます。

5Sで納期短縮とコスト削減ができるわけです。納期短縮は企業の競争力の強化になります。特に昨今は短納期、短納期と要求がどんどん短くなっています。納期短縮はそれだけで受注増の可能性に繋がります。

コスト削減はどうでしょうか。コストを削減すると利益が増えます。あるいは値引きができるようになります。値引きはわかりやすいと思います。価格競争力が増すことで受注が増えるかもしれません。ただし、単価が下がっているので売上が増えるかどうかは受注増の程度次第です。値引きではなく自社の利益増加の場合には少し効果が見えにくいかもしれません。しかし、利益が増えれば会社に余裕が生まれます。従業員の給与アップになればやる気も上がるでしょう。こういった余裕ややる気は、営業への姿勢の変化を通じて売上アップに繋がる可能性があるのです。

# 清掃、清潔、躾で売上アップが継続する

「清掃」は職場を清潔に保つこと、「清潔」は整理・整頓・清掃を維持することです。そして、「躾」は決められたルールをきちんと守ることの習慣化です。

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VRIOという競争力のフレームワークがあります。価値があり(Value)、希少で(Rarity)、模倣が難しく(Inimitability)、組織の力(Organization)に基づく経営資源をもつ企業は競争力があるというものです。清掃、清潔、躾は、VRIOのO、「組織の力」を鍛えるものです。

整理・整頓やその他のさまざまな会社の強みは、最初は一過性のもので、続けることは難しいものです。しかし、一過性のままでは、売上は横ばいからいずれ低下していくでしょう。組織の力がある企業では強みを一過性とせず、当たり前のものに変えることができます。競争力を維持・向上し続ける企業は、売上を伸ばしていくことが期待できます。

さて、いかがでしょうか。雑然としているのもラーメン屋の味だ?でもやはり雑然としていることは弱みだといえます。それでも魅力があるのであれば、それはその店に圧倒的な強みがあるからでしょう。競争の激しいなかで一歩抜き出るためには、日々の工夫も大切です。

売上が上がってきたらしっかり売上管理。ウランバで売上管理をすることで更に売上向上に繋げることができます。

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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 霜田 亮

1981年生まれ。同志社大学法学部退学。大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了。中小企業診断士、弁理士、社会保険労務士。2016年4月独立開業。弁理士として多くの技術を見てきた経験を活かした製造業の支援が得意。「技術力を経営力に変えるお手伝い」をモットーに、事業計画作成や資金調達など多岐にわたって企業のサポートをしている。趣味は筋トレ。虚弱体質改善のため昨年からジムに通い始めたものの体力アップではなく、マシントレーニングにはまる。最近ようやくシックスパックの兆しがみえてきた。

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