2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、日本人選手の活躍もあり盛り上がりました。4年後はいよいよその夏季オリンピックが東京で開催されます。

オリンピックから派生するビジネスに目を向けてみると、周辺の需要が喚起される傾向にあります。

例えば、昨今、海外から外国人旅行客を受け入れるためのホテルが不足しており、2020年の東京オリンピックに向けてもさらに外国人の流入が予想されることから、民泊の利用許可の条例が規制緩和の方向に進んでいます。

オリンピック開催によって潤う新規ビジネスを始めるもよし、既存のビジネスでさらに需要を取り込む工夫をするもよし、東京オリンピックというビッグイベントをビジネスチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。

olympic

 

#1 オリンピック景気ってどんなもの?

そもそもオリンピック景気や経済効果とニュースで話題になりますが、どのようなものでしょうか。

日本銀行から実際にレポートが出されています。
「日本銀行レポート・調査論文-2020年東京オリンピックの経済効果」

このレポートで言われているのは、訪日観光需要の増加と関連する建設投資の増加の2つが日本経済にとってプラスに働くとされています。

建設投資に関連する面では、オリンピック会場や選手村など、オリンピックに直接影響する部分もあれば、外国人旅行客を受け入れる民間ホテルの新築・増改築や都心の再開発、商業施設の建設や交通インフラの整備といった、間接的に影響する部分もあります。ただし、大手ゼネコンやその下請企業などの話になるので、世間全体として投資が促され、お金の循環がよくなり、消費に影響するかもしれないという程度になると思われます。

一方、訪日観光需要に関連する面では、ビジネスチャンスは少なからず誰でも発掘できるチャンスがありそうです。この点に注目して、事前に対策を打ってチャンスつかむ準備をしてみましょう。

#2 オリンピック後まで見通せる商材はあるか?

まず、簡単なところだと、オリンピックに関連するグッズです。オリンピック前から開催直後までは急激に売上を伸ばすことが期待できます。注意が必要なのは大会ロゴなどライセンスに関わる問題です。違法にならないように注意しましょう。

次に、飲食関係です。海外の人にとってあまりなじみのないもので、日本ではよく目にするものがチャンスになるでしょう。テイクアウトできるものであればより身近に海外の人に感じていただけるでしょう。有名どころで言うと、お寿司、おにぎり、たこ焼きなど。これらは、具に少し変わり種を使ってみると爆発的に人気を呼ぶ可能性はありそうです。

サービス業だと、通訳や観光ガイドなどのコンシェルジュとしてのサービスが考えられます。広く日本(東京)を知ってもらうためにも、また、何度も訪問したくなるようにするためにも、海外の人へガイドができると、付加価値が生まれて満足度が高くなるでしょう。

少しマイナーになりますが、技術力を武器にするならば、競技者向けの特殊加工を広く一般向けにも売り出すなどです。北京オリンピックの時に注目された高速水着は大手メーカーに割って入ったのがたこ焼きラバーで有名な山本化学工業、冬季オリンピックですが下町ボブスレーの東京都大田区の中小企業が参考となるでしょう。

売れ筋商品・サービスを把握し、一気にその商品・サービスにシフトすることで注目されることになります。その売れ筋を把握するためにはデータが必要。そのような時に、『ウランバ!!』をお試しください。

murata

執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 村田 朗

公認会計士、中小企業診断士、販売士1級、登録政治資金監査人。

1986年大阪府大阪市出身、東京都港区在住。大阪市立大学経済学部卒業後、大手監査法人に入所。上場企業の監査を中心に、製造業、小売業、医薬品業、金融業、学校法人などの監査業務に従事。「継続は力なり」をモットーに、会計・税務・資金調達の面からコツコツ努力する経営者の方をサポートできるよう活動中!