2016年度も、残すところあとわずか。来期に向けて、営業力強化を図りたいな…と考えている経営者の皆様も多いのではないでしょうか。ITベンチャー企業で長く営業として活動していた私のもとにも、そのようなご相談が寄せられることが、最近増えてきています。

そんな悩める経営者の皆さんから多く聞かれるのが、「どうすればウチの営業が、ヤル気満々で働くようになるのか」という言葉。創業から時が経ち、がむしゃらに働く少数精鋭の仲間たちだった会社が、今では両手両足の指では数え切れないメンバーに恵まれるようになった。そんな会社の社長さんにとって、典型的な悩みのようです。

私たち創業メンバーにとっては当たり前だった、ヤル気に満ち溢れて、無我夢中で朝まで働いていた、あの熱狂の日々。なぜ今の若手の営業たちはできないんだっ!

 
…社長、お気持ちはよく分かります。しかしこのままでは、彼ら彼女らが奮起する日の到来は、しばらく期待できないかもしれません。

#1 プロセスも評価できていますか?

最近は中小企業でも人事評価制度を制定する企業が増えてきました。これは喜ばしいことです。しかし営業向けの評価軸が、極端な「成果主義」になっていることが多いことには驚かされます。たとえば目標売上に対する達成度のみで評価されるなど、つまり「プロセス」を評価しない評価制度になっていることが多くあるのです。

「営業なんだから、実績を挙げてナンボでしょ!?」そうおっしゃるお気持ちも、分かります。一般に、人事評価には「能力評価」「情意評価」「業績評価」の3つの面があります。従業員は、自らの職務遂行「能力」を発揮して、ヤル気つまり「情意」をもって仕事に取り組み、良い「業績」を残すわけです。そのため「業績」だけでなく、「業績」につながる「能力」「情意」つまりプロセスも、バランス良く評価するのが人事評価のキホンなのです。

 
社長がもし本当に営業マンの「ヤル気」を求めるのであれば、プロセス評価を行わないのはどうしてでしょう?人事評価制度は、社長から従業員へのメッセージなのです。業績だけ評価するのは、「ヤル気はどうでも良いから、業績だけ出してくれ」と言っているようにも取れますよ!

 

#2 「あるべき姿」を人事評価制度・賃金制度で発信しよう!

そこで提案です。人事評価制度に、プロセス評価を取り入れてみましょう。ただしその前に、やるべきことは「営業のあるべき姿」を明確に言語化することです。言語化された人物像があれば、それをもとに社長自身もスタッフも、どのような評価制度にすべきか、共通の意識が持てるようになります。

なお一般的には、一般社員クラスは「業績20%、プロセス80%」、課長・係長クラスは「業績50%、プロセス50%」、部長クラスは「業績90%、プロセス10%」など、多段階の評価制度にすることが多くあります。あるべき姿は、職位によって違うというわけですね。この比率を決める際に、現場メンバーとの対話を持つと、さらに従業員の納得度を高め、ヤル気につなげることができるでしょう。

また賃金制度は、当期の業績に連動して一時金や賞与を支給することも考えると検討すると良いでしょう。「業績」は短期的な貢献として賞与に反映し、「意欲」は長期的な貢献として通常の給与に反映とすると、さらにメッセージが明確となります。

留意点としては、評価策定スタッフや評価担当者に、社長から直々に新評価制度の意図を伝えることです。長期的な成長を期待して、仕事への取り組み方も評価すると伝えましょう。また導入後1〜2年は「テスト期間」であると公表し、必要に応じて微調整を行っていきましょう。

 
人事評価の改良と同じくらい、ウランバの導入も効果的。ウランバは、がんばる営業の生産性を高め、ますますヤル気を引き出します。

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執筆者:取材の学校 ライター 松本真也

中小企業診断士

ICU国際基督教大学卒業。芸能プロダクションの(株)アミューズに新卒入社し、アイドルやダンスグループのマネジメントに携わる。その後、Webインテグレーション国内最大規模のIMJ Groupに転じ、Web広告営業、人事、経営企画、新規事業開発を経験。現在、中小企業診断士として、日本のエンターテインメントを世界に発信することをライフワークに、精力的に活動している。