みなさんの会社では会議をしていますか?ほとんどの方は、もちろん「ハイ」と答えられると思います。

2019年4月に働き方改革法案が施行され、会社や上司から生産性の向上を求められている方も多いと思います。しかしながら日々行われている会議は、生産性の高いものとなっているでしょうか。今回は会議にフォーカスして、役立つ情報をお伝えします。

#1:年間の平均会議時間は、79日!

みなさんは、どのくらいの時間が会議に費やされているかを考えたことはありますか?

打合せや会議に費やす時間は、メンバー層で、154.1時間/年、係長級では、301.2時間/年、部長級では434.5時間/年、さらに従業員1万人規模の大企業の部長級になると、630時間/年にも及ぶという調査結果があります。

階層別 社内会議・打合せに費やす時間

出典:パーソル総合研究所/中原淳(2017-8)「時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」表は、データより筆者作成。

630時間といえば、1日8時間労働として79日間に相当します。勤務日の約2/3は休まず会議と打合せをしている計算です。部長の年収を1,000万円と仮定すると、給与だけで1人およそ300万円以上が会議に費やされているのです。会社の生産性向上のためにも、会議のあり方を改善することは、急務であると言えます。

#2:あなたの会社のブラック会議度チェック

では、あなたの出席している会議を思い返し、次の12項目のリストを使ってブラック会議度のチェックをしてみましょう。

ブラック会議度チェックリスト

いくつあてはまりましたか?

先述の調査によると、会議を無駄と感じることに特に強く影響しているのは、「些細な議題で会議を開く」「決めた時間に終わらないことが多い」「会議中は盛り上がっても、その後ほとんど進捗せずに終わってしまう」の3点でした。皆さんにも思い当たるところがあるかと思います。

そしてこれらの解決に役立つ切り口が、次にご紹介する「ECRS」です。

#3:「ECRS」でブラック会議を解決!

改めてチェックリストを見てください。「ブラック会議」は、1.事前準備、2.会議中の段取り、3.会議後のフォローが悪いことに原因があります。

そして、この解決に役立つのが、生産管理で使われる「ECRSの原則」になります。ECRSの原則とは、1.排除 Eliminate、2.結合 Combine、3.交換 Rearrange、4.簡素化 Simplify の頭文字に由来し、業務改善を実施する上での、順番と視点を示したものです。

では具体的な事例にこの「ECRSの原則」をあてはめ会議の改善を考えてみましょう。

まずは、無駄を「なくせないか」を検討します。

STEP1:排除(Eliminate)

<事例①>メールを活用し、会議を週1回から月1回へ減らす

毎週1回5人で1時間の定例会議を開催していたが、内容を確認したところ、メールでの報告や相談で完了できる内容だったため、月1回に変更し、メンバーも3人に変更した。結果、月間で20時間(1時間×4回×5人)から3時間(1時間×1回×3人)へ時間を削減できた。

次に、「まとめられないか」を考えてみましょう。

STEP2:結合(Combine)

<事例②>別々の会議を1つにまとめ時間を削減

マネージャーと店長、店長とスタッフでそれぞれ別々に行われていた会議を、同時に開催することにより会議時間を削減した。また、マネージャーと店長で行っていた会議へスタッフを参加させることで従業員への伝達時間を削減したばかりでなく、マネージャーとスタッフのコミュニケーションが密になり、店舗の問題点が迅速に伝わることでサービス向上にも繋がった。

3つめに「交換できないか」を考えてみましょう。

STEP3:交換(Rearrange)

<事例③>会議時間を朝一番に変えることで残業時間を削減

終業時間直前に開催していた会議を、就業時間の始まりに変更した。朝は通常業務を控えているため決められた時間内に会議を終わらせるという意識を参加者全員が持つことで、議題、資料、進め方などを見直し、残業時間削減の効果をもたらした。

最後は「簡素化できないか」を検討してみましょう。

STEP4:簡素化(Simplify)

<事例④>資料作成ルールを決めることで時間を大幅に削減

1人当たりの発表時間を短くするとともに、過剰な資料を用意しないようA4用紙1枚へ資料作成ルールを統一した。資料作成時間や発表時間を大幅に削減するばかりでなく、それぞれの発表内容明確になり、要点をまとめる力が養われ、従業員のスキルアップにも繋がった。

#4:会議は社風そのもの

生産性の高い会議を実施するためには、1.事前準備をしっかり行う、2.会議の効率的な進行を意識する、3.会議後のフォローを怠らない、ことが重要です。ただこれらを実現するにはトップ自らが会議の現状を正しく理解し、その強い働きかけにより、目的をもって慣習(悪習)を改める姿勢を社員に示すことが大切です。会議を変えることは、社風そのものを変えるといっても過言ではありません。

会社の決まりや考え方を改めて見直し、ECRSの切り口を活用して「ホワイト」な会議を実現することで会社の生産性向上を目指しましょう!

いかがでしたでしょうか。会議の生産性が実現した後は、次世代クラウド販売管理サービス『ウランバ!!』で販売の生産性向上を目指してみませんか。

執筆者:取材の匠 ライター 屋代勝幸

中小企業診断士 経営革新等支援機関 健康経営エキスパートアドバイザー 第一種衛生管理者 会社の健康研究所代表
千葉県出身 1967年生まれ 東京都葛飾区在住
食品・機械部品・外資系消費財メーカーに勤務。営業・営業企画・広報宣伝・商品企画・調達・人事・総務の各部署を経験。健康経営🄬推進支援、組織力向上、業務プロセス改善、ファシリティ管理、購買管理を得意とする。ミラサポ専門家派遣 登録専門家。葛飾区産業経済課 経営相談員委嘱。葛飾区 インキュベーションマネージャー委嘱。東京都中小企業診断士協会正会員。東京商工会議所会員。