『10年前と比べて情報の量ってどのくらいになっていると思う?』

この質問にあなたならどう答えますか?10倍でしょうか?それとも100倍?答えは600倍以上です(総務省の統計による)。600倍と言われてもピンときませんよね。こう考えてみてはどうでしょうか?あることを決めたいときに、10年前は選択肢が2つだったのが、現在では1、200通りの選択があるということなんです。多すぎて選べませんよね。

買い物も一つの選択と決定の行為です。でも、買い物をするときにも情報が多すぎて何がいいのかさっぱりわからない、というのが現在の消費者を取り巻く環境です。10年前であれば、売り手と買い手の持つ情報量には明確な差がありました。売り手しか知り得ない情報を提供してもらっているからこそ、買い手はお金を出して買っていたのです。しかし現在はその垣根は限りなく低くなり、かえって情報が多すぎるがために、選ぶことができない状況が発生しています。売り手はもはや「情報を多く持っている人たち」ではありません。膨大な情報の中から買ってもらうために必要な情報だけをピックアップして効率よく提供しているだけなのです。

このような現在にあって、買い手に必要なのはどのようなスキルなのでしょうか?

#1 売り手の業界知識を集める

先にも書きましたとおり、情報の量だけであれば、売り手も買い手も同じ情報を手に入れることができます。ネットを使うもよし、書店で書籍を買うもよし。今や、企業や国家の秘密情報でもない限り、ちょっと努力すればどんな情報でも手に入る時代です。ですから、まずは売り手の周りにある情報を調べ、売り手と同じ業界の知識を身に着けましょう。

たとえば、買うときによくわからずに買ってしまうもの、しかも金額の高いものの一つに保険があります。保険の営業さんが「もしもの時のために!」だとか「投資効果もありますから!」とか言って押してくるので、「まぁ月数千円なら・・・」とついつい買ってしまった経験、ありませんか?その保険、本当に必要でしょうか?こういう場合、大体が数年後に保険の見直しをして解約し、結局数千円×12ヶ月×数年=十数万円が水の泡・・・というケースがほとんどです(数年の間は保険で守られていたかもしれませんが)。

生命保険であれば、現在生活に必要な現金資産と、仮にいま自分が死んでしまったときに残された人が平均寿命まで生活するのに必要な資金がいくらなのか。おおよその毎月の出費を年額に換算し、ネットで平均寿命を調べて残りの年数をかければ出てきます。その金額よりかなり高額の保証をしてくれる保険なら入ってもいいかもしれませんが、大体の保険はあまりその差がありません。なぜなら、保険会社も営利企業だからです。今のは一つの例ですが、売り手側の業界の利益がどのように作られているのかを考え情報を収集することによって、「しまった!買わなければよかった!」という事態は防ぐことができます。

 

#2 リスクを正しく見極める

知識を身に着けたら次に必要なのは「リスク」を見極めることです。また保険を例に出しますが、保険を買うことによるリスクは、たとえば欲しいものが買えなくなるリスク、突然現金必要になったときに現金が用意できなくなるリスクなどがあります。それらのリスクを冷静な目でピックアップするのです。もちろん、売り手の側に直接聞くのもありでしょう。もしここでリスクをきちんと説明できない営業であれば買うのはやめたほうが良いです。売ることしか頭になく、顧客目線に立てない営業でしょうから。リスクをきちんと説明してくれたとしても、買い手だけが認識しているリスクが残っている場合もあります。その場合は、営業さんにきちんとぶつけてみましょう。それによって議論が深まり、より冷静な目でリスクを見極めることができる可能性があるからです。

適切な情報を仕入れ、リスクを正しく見極めれば、情報が氾濫する21世紀の今でも、賢い消費者になることができるでしょう。適切な情報管理にはぜひウランバをご活用ください。

 
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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 堀江 賢一

1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。

大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。

趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。