経営者の方ならば、事業計画を書いた経験があると思います。経営者の方でなくても、企業の経営企画部門やマーケティング部門に勤めている方、あるいは新規事業を任されている方などは事業計画を書いたことがあるか、これから書くことになるでしょう。
事業計画が必要な理由は色々ありますが、一番は「きちんと評価をするため」です。その事業が本当にうまくいっているのか、仮にうまく行っていないのならその原因は何か、どのような対処を取ればうまくいくのか、などを検討して実行し続けるために存在します。
私はこれまで多くの事業計画書を作り、そしてそれ以上に他の方が作成した事業計画書を目にしてきました。今回は、そこから見えてくる事業計画作成に必要なポイントを3つにまとめてお伝えしようと思います。

#ポイント① 目標が数字で表現されていること

事業であるからには、何かしらの目標が必ず存在します。そして、目標であるからには、「数字で表される必要がある」のです。
なぜならば、数字でしか客観的にうまく行っているのか、うまく行っていないのかの評価ができないからです。
数値化しづらい目標もあると思います。たとえば、「地域を活性化させる」や「顧客満足度を上げる」などが良い例ですね。しかし、これらも「何がどういう数値であれば地域が活性化したといえるのか」「何がどういう数値であれば顧客が満足したといえるのか」を突き詰めて考えれば、必ず数字で表現することができます。
やりたいという想いから始まった事業であればこそ、必ず目標を数値化してください。

 

#ポイント② 競合他社を考慮した売上計画になっていること

事業ですから、そこには必ずお金が回る仕組みが存在し、売上が存在します。
私が目にした事業計画書の中で一番多いのが、根拠もなく右肩上がりになっている売上計画です。
なぜ右肩上がりになっているのかを探してもどこにも根拠らしきものは書いてありません。そのような売上計画は現実味がないため、実際に事業を開始するとほぼ計画を下回ります。
このようなことにならないよう、売上計画は現実味のあるものを作りたいものです。しかしどうすればよいかは雲をつかむような話ですよね。
そこで、競合他社の影響がどの程度あるかを考えてみましょう。
最大手を競合とおいてもいいでしょうし、近隣にある同業他社を競合とおいてもいいでしょう。競合他社の軸を入れると、競合の売上規模を調べる必要が出てきます。そうなると、急に現実味を帯びたものになってくるのです。
競合より上を行くのか、それとも競合の後方2番手をいくのか、など自分たちの立ち位置も明確になります。それだけで、売上計画は全然違ったものになるのです。

 

# ポイント③自社に厳し目な計画であること

最後のポイントは、厳し目な計画にすること、です。やりたいという想いから立ち上げた事業ですから、計画を作っているときは楽しいものです。あれこれと思いを巡らせ、ついつい甘めな計画書を作ってしまいがちです。
しかし、甘い計画書を作っても、実際に事業を始めて現実を突きつけられると、そううまくいかないことが痛いほどわかります。
「きちんと事業を評価すること」という事業計画の本来の目的に立ち返ると、計画は厳し目にしておいたほうが良いでしょう。そのほうがうまく行ったときの喜びも大きいものです。

 
事業計画を作るときの3つのポイント、

  • ①目標が数字で表現されていること、
  • ②競合他社を考慮した売上計画になっていること、
  • ③自社に厳し目な計画であること。

事業計画を作成する際にはぜひこのポイントを抑えて作成してみてください。
事業計画を作成する際に必要な数字などの情報管理にはウランバを活用してみてくださいね。

 
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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 堀江 賢一

1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。

大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。

趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。