今回は、前回に引き続き在庫管理についてです。第2弾としてABC分析について。

前回:【中小企業診断士が教える経営に役立つ話】在庫管理のキソ①<発注方式の使い分け>

 
まずは、そもそもABC分析って何?という所から。ABC分析とは、売上のような一つの基準や指標をもとに、商品を多い順にAグループ、Bグループ、Cグループに分類し、重要度により管理の優先順位をつけるための分析方法です。

例えば、一般的に用いられる売上を基準としたABC分析の場合、売上の上位70%を占める商品をAグループ、70%~90%を占める商品をBグループ、同様に90%~100%の商品をCグループと分類します。売上への影響が大きいAグループの商品は最も重点的に管理し、Bグループ、Cグループになるに従い、Aグループよりも簡易的な管理を行うと考えれば分かり易いでしょうか。

前回は、発注方式を大きく3つに分けて説明しました。ABC分析によって、品目ごとの発注方法も使い分けやすくなります。

#1 グルーピングの手順

イメージしやすくするため、実際に下記の表を使い、数値の例を用いてグルーピングの手順を見ていきます。(表はイメージです)

≪グルーピングの手順≫
①商品を、売上の高い順番に上から並べる。商品ごとの売上とその構成比、累計構成比を出す。

②累計構成比から、全体の70%までの商品をAグループ、70%~90%の商品をBグループ、90%~100%の商品をCグル―プに分類する。

ここでは数値を簡素化しているため割り切れる数字になっていますが、実際に行う時には端数が出るので、どこまでの構成比でグルーピングするかは、ご自身のビジネスに合わせて決定してください。
 

#2 グループごとの管理

ABC分析で大切なのは、グルーピング後の管理にいかに結び付けて、効率化するかというところになります。冒頭で説明したように、ABC分析の目的は管理の優先順位付けと、Aグループの重点管理です。ここから、各商品の管理方針を決定し、管理の効率化を図ります。

まずAグループの商品は、全体に占める売上割合が最も大きいため、重点管理品目として扱います。具体的には、過去の販売データから商品ごとの綿密な販売予測を行い、在庫切れを避けるとともに、倉庫のスペースにも注意して在庫過多にならないよう管理します。上の表で言うと、一番売れるビールのようなものですね。発注方式は、定期発注方式が適していると言えます。

次にBグループです。BグループはAグループほどではないものの、適度に売れる商品としての位置づけになります。一般には定量発注方式を用い、単価の高い品目は定期発注方式にするなど、状況に応じて使い分けが必要です。上の表ではワインが該当しています。

最後にCグループです。Cグループは基本的に出数が少ないため、管理の効率化を優先し、販売予測は行わず在庫がなくなった時に発注する、ダブルビン方式での管理が一般的には適しています。在庫が二本ある日本酒のうち、一本が空になったタイミングで新しく一本を発注するといった感じですね。

 
今回は売上を例に説明しましたが、販売個数や粗利益なども基準にして分析し、売上のABC分析とともにデータ化することで、商品を多面的に把握して管理することができます。
ウランバなら売上管理と在庫管理をまとめて行うことができ、業務を効率的に進めることができます。ぜひご活用ください!

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haneishi

執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 羽石 欣司
中小企業診断士、調理師
大学卒業後、ファーストフードチェーンにて店舗運営をはじめとした経営を学び、料理人の道へ。成田空港近くの大規模ホテルや個人レストランで、フランス料理やイタリア料理を中心に洋食調理に従事。現在は食品会社で、主にプロジェクトリーダーとして提案営業やプロジェクトの推進・管理を行う。
暇さえあればケーキを作り食べている、大の甘いもの好き。自身の経験を活かした、現場目線での飲食店支援を目指している。