“速度の経済性”という言葉をご存知でしょうか?この言葉は、経営においてスピードを上げることで得られる経済的な便益全般を指します。「時は金なり」ならぬ、「スピードは金なり」といったところでしょうか。

 

かつては大量生産や大量仕入れにより個々の単価を安くする“規模の経済性”や、複数の事業で経営資源を共有することによりコストを削減する“範囲の経済性”が追求されてきました。しかしながら、情報技術をはじめとした様々な技術が発展した昨今では、いかに速く製品を送り出すか、いかに速くサービスを提供するか、といったタイムベース競争が激化し、“速度の経済性”を追求するようになってきています。

#1 意思決定、情報伝達のスピードを上げる効果

速度の経済性を追求する方法の一つとして、意思決定を迅速に行うことが挙げられます。業務目標や業務内容が早く決まれば、それぞれの業務がスムーズにスタートできます。また、各マイルストンでの意思決定が迅速に行われると、後に続く業務が次々と円滑に橋渡しされていくことは想像しやすいですね。

 

速度の経済性を追求するためのもう一つの方法には、情報伝達のスピードを上げることがあります。市場からの情報をすぐさまキャッチすれば、その分だけ他社に先駆けた行動が可能となります。また、部門間の情報伝達をスピーディーに行えばやはり業務が次々と円滑に進んでいきますね。さらに、様々なITツールの活用により情報を処理するスピードが早まれば、より一層スムーズに業務を進められるようになります。

 

こうした迅速な意思決定とスピーディーな情報伝達、情報処理によって、商品開発のスピードが早くなれば、新商品をいち早く市場に投入することができます。

 

皆さんは使ったり口にしたりするのに慣れ親しんだ商品から他の商品へ乗り換えるのを躊躇することがありませんか?このような心理的負担をスイッチングコストといいます。あるカテゴリーの最初の製品として市場に投入できれば、スイッチングコストが発生し顧客が離れにくくなり、強力なブランドを形成することが期待できます。また、市場に一番乗りすることで利用者の生の声をいち早く捉えることができ、よりよい製品へ改良していくことも可能となります。結果として、利益率の向上が期待できるという訳です。

 

#2 スピードの速さそのものが強みになる

タイムベース競争が激化している昨今では、顧客の要望や要求にいかに早く対応するかといったことが求められます。同じ料金、サービス内容ならば、ニーズをより早く満たしてもらえるところに頼みたいですよね。つまり、市場や現場の要求をいち早く捉えていち早く対応することそのものが他社との差別化につながり、自社の強みとなります。スピードを売りにしている例に、スピード印刷や即日発送などがあります。

 

また、商品の提供スピードにとどまらず、問い合わせへの対応やアフターフォローについても可能な限り素早く行うことで企業のイメージがぐんと向上し、大きな強みとなります。いっぽう世の中は素早い対応にどんどん慣れてきていますので、対応が遅れてしまうとイメージダウンにつながる可能性もありますので十分に気をつけたいところです。

 

ウランバ!!を活用すると、売り上げや利益の情報をタイムリーに収集でき、迅速な意思決定を行うことができます。また、部門間のコミュニケーションの手間やロスを省くことができ迅速な情報伝達が可能となります。ウランバ!!はまさに“速度の経済性”を追求するのにうってつけのツールといえますね。

.

執筆者:取材の学校 ライター 荒井由紀子

神奈川県横浜市出身。早稲田大学理工学研究科修士課程修了。二児の母。国内製薬会社にて臨床開発モニターとして勤務の後、企画部門へ異動し臨床開発プロジェクトのマネジメントに携わる。産休・育休取得後に職場復帰するも、育児に専念するため退職し専業主婦となる。その後次男の幼稚園入園を機にビジネスの世界に復帰。現在は会社員時代の経験をベースに、子育てという精神修行の世界に没頭した経験から得られた視点を活かし、セミナーや執筆を中心にフリーランスとして活動中。