とある調査において、約80%の経営者は、自社の製品・サービスが「きわめて差別化されている」と回答していますが、そのように受け止めている消費者は、8%に過ぎないという結果があります。

日々、独自の商品・サービスを追求している多くの経営者の方々にとっては大変ショッキングな話ですよね。

でも、世の中を見渡してみると、案外こうした例は多いのかもしれません。

#1 商品・サービスの差別化は難しい

価格競争の回避や、知名度向上による販促費の抑制など、商品・サービスの差別化にはメリットがあります。

逆に、差別化できておらず、独自性を訴求できない商品・サービスは、顧客に対して価格面で訴求せざるを得ず、結果的に収益の圧迫につながります。

よって、いかに自社の商品・サービスの差別化を図るのかは、重要な課題であると言えます。

 

一方で、商品・サービスの差別化は、多くの場合、容易ではありません。

差別化を難しくする要素としては、大きく3つ挙げられます。

 

1) 顧客は商品・サービスの違いを感じていない

2) 当初は差別化されていても、時間が経つと競合が追随する(マネされる)

3) 時間の経過とともに、顧客の重要視する要素が変化する

 

今回は、こうした内容に対応する為の切り口をご紹介します。

 

#2 商品・サービスの差別化に向けた4つの切り口

商品・サービスの差別化を達成する為の切り口として、ERRC(イーアールアールシー/エルック)というものがあります。

 

E(Eliminate)··········· 取り除けないか?

R(Reduce)·············· 減らせないか?

R(Raise)··················· 増やせないか?

C(Create)·············· 付け加えられないか?

 

これら4つの切り口を用いることで、自社の商品・サービスの差別化に向けたアクションプランを検討できます。

それでは、これら4つの切り口について見ていきましょう。

 

E(Eliminate)/取り除けないか?

R(Reduce)/減らせないか?

これらは、業界の中で当たり前となっている機能を見直し、取り除いたり、減らしたりできないかを考えることです。

特に、競合との競争の中で、機能がオーバースペック気味になっていることがよくあります。

オーバースペックな機能は取り除いたり、減らしたりしてOKです。

これらを実行することで、低コスト化を図ることができ、次の2つの視点の実現につなげることができます。

例えば、回転率が高く、大人が一人で訪問することの多い料理店では、座席そのものを減らしたり、なくしたりしてしまうことが考えられます。

 

R(Raise)/増やせないか?

C(Create)/付け加えられないか?

これらは、業界標準よりも自社の商品・サービスの価値や機能の一部分を高めたり、新たに付け加えたりできないか考えることです。

これは、自社のこだわりをどこに置くのか考えることです。

先程の2つの切り口に対して、こちらは付加価値を高めることで、使い勝手や利便性を訴求することにつながります。

先程の例では、座席そのものをなくして浮いたコストを料理の質向上に振り分け、全面的に訴求するといった活動が考えられます。

 

以上の切り口をもとにアクションプランに落とし込み、活動していきます。

ただし、アクションプランにも見直しが必要です。

先述しました競合他社の追随や、顧客が重要視する要素の変化がありますので、売り上げ状況を確認し、アクションプランの見直しを継続的に進めることが大切です。

 

ウランバなら、日々の売り上げ状況をグラフィカルに確認することができ、アクションプランの見直しにも有効です。

独自性のある商品・サービスを検討し、ウランバを活用することで、あなたも収益拡大を目指しませんか。

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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 北田 健太

埼玉生まれ、埼玉育ち。大学時代、生産管理やTOCを学習する一方、大手進学塾で講師を経験し、教室授業や保護者会、面談等に従こと。生徒や保護者の悩みを汲み取った指導で、全校舎実施の顧客満足度調査で上位獲得。

現在は、塾講師時代に培ったプレゼン力・ヒヤリング力を活かし、メーカーにて法人営業に従こと。得意先に対する営業活動に加え、営業部門新人研修等の育成面からも組織パフォーマンス向上を図っている。

診断士としては、売上アップに向けた経営支援や従業員の営業スキル向上に向けた研修等を主な活動内容としている。

趣味は「飲むこと」「歌うこと」。2016年は年間30回以上の懇親会幹事を担当した。