前回の後方支援編(http://blog.uranba.com/2017/06/07/y033/)では、経験が不足している社員の困りごとに対し、ビデオチャットを使った後方支援のお話をしました。今回は、「社員の効率的教育」を行うために業務ノウハウの蓄積をどのように進めていくかについてお伝えしたいと思います。人材不足の状況では、経験の少ない社員をいかに早く戦力化できるかがポイントになります。その早期の戦力化ためには、ベテランのノウハウの活用が欠かせません。
#1:ノウハウ蓄積のポイント
ノウハウを蓄積していくということは、ベテラン社員が脳内に保管しているノウハウをいかに「可視化」するかということです。可視化、つまりマニュアル化を進めていくには、以下の3つの切り口を意識するとよいかもしれません。
①マニュアル化する人(ベテラン社員)のモチベーション向上
いわゆる「背中を見て覚えろ的OJT」を実施しているベテランがいる場合、人材不足が顕著で、教育に人や時間を多く割けない現状を理解して頂きましょう。その上で、「若手の育成」をそのベテランの評価項目に加えることをお勧めします。また徒弟制度的なものを用いて、次世代の育成をすることに使命感を持たせるのも良いでしょう。
②マニュアル化するもの
マニュアル化の序盤の段階では、「現場に効くもの」を優先するべきです。中長期的には、ベテラン社員がマニュアル化しておきたいことという視点でまとめるのも良いかと思いますが、序盤からそのようにするとマニュアルを見てもらえなくなります。前回触れたビデオチャットでの相談事項やトラブル事例など、実際に発生した案件をベースにすることで、明日からでも活用できるマニュアルになるでしょう。
③マニュアル化する方法
ここまで幾度とマニュアル化と書いてきましたが、「マニュアル化=手間、面倒くさい」といったイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。例えばある機械の操作方法といったマニュアルだとしたら、エクセル等にデジカメで撮影した機械の写真を貼り付けて、そこに矢印や文字を挿入して…こんな感じでしょうか。確かに手間がかかりますね。ただこのマニュアル化、違った方法で簡単に作成ができます。
#2:意外とマニュアル化は面倒くさくない?
簡単なマニュアル化の方法とは、「動画」を活用することです。最近は製品の使用方法等がYouTubeで紹介されていることも多いですよね。
具体的には、前回のビデオチャットでも活用したスマートフォンで、マニュアル化したい作業を「撮影」します。それで終わりです。
先に例に挙げた機械の操作方法であれば、その機械を操作している様子を撮影すれば十分マニュアルとして機能します。
動画で記録することは、リアルな手の動きや経過時間の感覚など、写真や文字以上に伝えられることも多く、言葉で伝えづらいベテランのノウハウを可視化するには最適で、単なるマニュアル化の手間削減以上の効果があります。
また作成した動画マニュアルは、各種クラウドサービス(DropboxやGoogleドライブなど)を通じて簡単に共有が可能で、サービスによってはファイルサイズの自動圧縮も行ってくれます。
明日からベテラン社員の仕事の様子を撮影してみてはどうでしょうか。
次回は、その蓄積したノウハウをどのように活用していくかについてお話します。
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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 仲光 和之
1977年生まれ。福岡県北九州市出身。同志社大学商学部卒。中小企業診断士、宅地建物取引士。
中小電気工事会社にて設計や現場監督の業務に従事し、見積作成から顧客との交渉、職人、資材の手配や工程管理など、工事の営業・受注から完工までのすべてに携わる。約7年間勤務の後、現在は大手不動産管理会社の企画部門で、自ら立ち上げた現場支援部署の責任者と事業戦略の立案に従事。2014年社長賞受賞。部署立ち上げ、企画推進と現場監督時代の経験を活かしたプロジェクトマネジメントを得意とする。
趣味はバンド演奏(ドラム)とアウトドア。休みがあるとキャンプに出かけ、たき火に癒されている。