後方支援編業務ノウハウ蓄積編に続き、今回は蓄積したノウハウをどのように活用していくかについてお話しします。ベテランのノウハウが詰まったマニュアルを、いかに活用してもらうかがポイントです。その具体的方法として、①評価制度とのリンク②プロモーション、この二つの切り口でお伝えしていきたいと思います。

#1:評価制度とつなげる

マニュアルを活用してもらう方法の一つとして、マニュアルを見ないといけない環境を作るという手段があります。その一つとして、昇給や評価基準に「マニュアルの内容を身につけたかどうか」を加えることはいかがでしょうか。例えば、あるマニュアルに基づくテストに合格しないと等級が上がらない、といった感じです。

 

マニュアルやテストの内容、仕組みが成熟してきたら、マイスター制度の導入も良いかもしれません。

マニュアルを通じて習得したノウハウに対して、段位や称号などを進呈し、評価基準としてだけでなくモチベーション向上策として活用します。他の社員からも段位が分かるようにすることで、さらなる向上効果が期待できます。

 

以上のようなマニュアルを活用しないと次のステージに上がれない仕組みも効果的です。

 

#2:社内プロモーション

マニュアルがいつでもどこでも見れる場所に格納されていて、その追加や更新が適宜わかるような環境でないと、評価制度とリンクしていたとしても、その活用効果は半減です。

 

すでに利用している企業も多いかもしれませんが、社内ポータルサイトや社内SNSの導入、活用はいかがでしょうか。最近ではコスト面も含めて、導入のハードルはずいぶん低くなってきているようです。サービスによっては社外からスマートフォンで閲覧できるものもあり、様々なシチュエーションでマニュアルの閲覧が可能です。

 

社内ポータルサイト活用時には掲示板のような双方向コミュニケーションが可能なツールの導入をお勧めします。

 

マニュアル閲覧者による作ってほしいマニュアルの要望や、マニュアル作成者(ベテラン)からの様々なアドバイスの書き込みなど、掲示板での交流が活発になればなるほどマニュアルの活用頻度や教育効果も向上し、さらに次のマニュアル作成、ノウハウ蓄積につながる効果も期待できます。

 

 

3回にわたってお伝えしてきましたが今回が最終回です。

「ITが人材不足を救うってホント??」という問いかけには、「ホントです!」が私の答えです。

IT技術は人材不足解消のために研究、進化しているとも言え、間違いなくホントだと思います。

 

ただすでに使っている、身近にあるITツールも簡単な方法で課題解決の武器になり得ます。ぜひ明日から人材不足対策、始めてみてください。

 

 

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執筆者:取材の学校 ライター 中小企業診断士 仲光 和之

1977年生まれ。福岡県北九州市出身。同志社大学商学部卒。中小企業診断士、宅地建物取引士。

中小電気工事会社にて設計や現場監督の業務に従事し、見積作成から顧客との交渉、職人、資材の手配や工程管理など、工事の営業・受注から完工までのすべてに携わる。約7年間勤務の後、現在は大手不動産管理会社の企画部門で、自ら立ち上げた現場支援部署の責任者と事業戦略の立案に従事。2014年社長賞受賞。部署立ち上げ、企画推進と現場監督時代の経験を活かしたプロジェクトマネジメントを得意とする。

趣味はバンド演奏(ドラム)とアウトドア。休みがあるとキャンプに出かけ、たき火に癒されている。