#1:多面的な視点で真因を探る4Mの視点

 

4Mって聞いた事ありますか?

これは、顧客が求める品質・コスト・納期を達成するための、生産管理における4つの構成要素を指します。

製造業では、特にトラブルが発生した際の原因分析の切り口として活用できます。

 

Material(原材料・部品)

Machine(機械設備)

Man(作業者)

Method(作業方法)

 

例えば、出版物の印刷において、仕上がり品に印刷不良が発生したとします。

この場合、経験による原因予測ももちろん可能ですが、先程の4Mの視点で原因分析する事で、多面的に問題を把握できます。

一例としては、以下の通りです。

 

Material(原材料・部品)・・・原材料の紙やインキの品位は適切だったのか

Machine(機械設備)・・・設備不具合はなかったのか

Man(作業者)・・・作業者の技能やシフトに問題なかったか

Method(作業方法)・・・作業方法や手順は適切だったか

 

上記は一例ですが、4Mにもとづき関係者で議論を進めることで、過去の経験も活かしつつ、真因を探る事が可能となります。

こうした切り口を持つ事で、議論に参加するメンバーの発想力も刺激され、活発な議論による改善を進める事で、強い製造現場になっていくのです。

 

それでは、この視点を営業現場にも当てはめられないでしょうか?

#2:営業現場に議論を生む4Mの視点

 

一般的に、営業現場ではManの要素が最重要視されます。

例えば、「明るい性格」とか「巧みな話術」とか「交渉の達人」とか、俗人的なイメージが持たれがちではないでしょうか?

いわばアートです。

 

確かに、上記はスキルとしては大事かもしれません。

しかし、限られた人員の中で、より高いパフォーマンスを発揮する為には、営業にも成果の再現性が求められます。

つまり、営業にはアートだけでなく、サイエンスも必要なのです。

 

営業を4Mの視点で見ると、どのような切り口になるでしょうか?

 

■Material(原材料・部品)

営業プロセスにおける「原材料・部品」とは何でしょうか。

例えば、正確で鮮度のある情報を入手し、社内へ展開することで、顧客に刺さる提案が生まれる事を考えると、「原材料・部品」は「情報」であると考えられるます。

「情報」を入手するルートは十分ですか?

保有している「情報」は鮮度がありますか?

こうした切り口で議論してみると、気付きが得られるのではないでしょうか。

 

■Machine(機械設備)

営業におけるインフラ面では、例えばモバイルPCの有無やその能力(インターネットの通信速度によっても現代の仕事のスピードは大きく左右されますね)、社内とのデータ共有の可否等が挙げられます。

こちらは比較的意見の出やすい項目かもしれません。

 

■Man(作業者)

営業におけるManの視点は、個々人のスキルや担当者の配置等が考えられます。

先に挙げた「明るさ」は性格による部分もありますが、例えば「話術」や「交渉術」等は実践に加え、研修等へ参加する事でも能力向上が図れます。

実は「アート」は営業担当者のスキルの一部分なのではないでしょうか。

なお、研修やセミナーは、一見俗人的に見えるスキルを体系化していますので、「スキルの体系化を学ぶ」という視点で受講する事で、さらなる気付きが得られるでしょう。

 

■Method(作業方法)

作業方法については、営業マニュアルの作成が挙げられます。

例えば毎月決まったルーチンワークについては、マニュアルを作成する事で誰でも対応できるようになります。

マニュアル活用で営業担当者の負荷を調整できより効率的な営業活動を図る事が可能となります。

 

ウランバを活用する事で、営業担当者に必要なデータを提供できたり、より効果的な営業担当者の配置が実現できたり、4Mの視点でも良い事だらけ!

ぜひご活用ください。

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執筆者:取材の学校 ライター 北田 健太

中小企業診断士

埼玉生まれ、埼玉育ち。大学時代、生産管理やTOCを学習する一方、大手進学塾で講師を経験し、教室授業や保護者会、面談等に従事。生徒や保護者の悩みを汲み取った指導で、全校舎実施の顧客満足度調査で上位獲得。

現在は、塾講師時代に培ったプレゼン力・ヒヤリング力を活かし、メーカーにて法人営業に従事。得意先に対する営業活動に加え、営業部門新人研修等の育成面からも組織パフォーマンス向上を図っている。

診断士としては、売上アップに向けた経営支援や従業員の営業スキル向上に向けた研修等を主な活動内容とし、セミナーや執筆に取り組んでいる。

趣味は「飲む事」「歌う事」。2016年は年間30回以上の懇親会幹事を担当した。