起業しようと思ったときに、最初に作成するのは事業(起業)計画書になると思います。経営者のビジョンや事業の将来の方向性などを示す重要な資料です。この事業計画書をもとに、出資者の募集や金融機関からの借入を行うことにもなります。

当然、計画通りに実行できずに「絵に描いた餅」に終わってしまっては元も子もないですが、まずは将来のビジネスについての絵を描けなければ、会社の成長は大きく望めないでしょう。

そこで、今回は事業計画書の作り方、書き方を工夫して、いかに会社の成長発展につなげていけばよいか、考えてみましょう。

#1:事業計画書ってそんなに大事なもの?

事業計画書にどのような項目を記載すればよいか、列挙してみたいと思います。事業計画書は特に決まったフォーマットはなく、経営者の自由な形式ですが、一般的に記載されている項目が以下になります。

①企業の概要、②経営理念・ビジョン、③事業の概要、④自社の属する商品・サービスの特徴、⑤競合他社との関係、得意先や仕入先との関係、⑥事業スケジュール、⑦損益計画・資金計画、この他にも組織・人事の配置計画などが挙げられます。

それぞれが別個に計画を立てられるものではなく、連動したものになります。例えば、3年後に固定資産5千万円を投資するために、自己資金からいくら出して、その他は借入からいくら出そう、そのためにはこの年にはこれぐらい稼がないといけないし、翌年以降の利息負担を考えるともう少し稼がないといけない、という具合です。

また、経営者自身が方向性に思い悩んだとき、従業員に自社への帰属意識を高めるためは、明確な一本筋の通った経営理念やビジョンがあると方向性のブレが少なくなるでしょう。さらに、事業を進める上で、計画値は目標値となるので、あまりに高い目標値になると計画未達となってモチベーションが下がる可能性がありますし、目標値が低すぎると上昇志向にストップをかけてしまうことにもなるでしょう。実行可能な計画値をもつことは非常に大事なのです。

 

#2:実行可能性を高めるためには?

実行可能な計画を立てるためにはさまざまな設定を詳細に決めることから始まります。

例えば、販売価格の設定についてです。競合他社とは明らかに品質面で優位性があれば少し高くしても顧客の購買意欲は高いため、価格を少し高めに設定してみる。それを見込んだ計画値を設定する。仕入価格などの原価面では仕入先との交渉の過程で原価低減を図れる場合には、その価格交渉分を織り込み、その他で原価改善する箇所を明確にする。

販売においては、どのようにプロモーション活動していくのか、あらかじめ具体的に計画するのが望ましいでしょう。顧客ターゲットはどの年齢層なのか、どういう趣味嗜好を持った人なのか。それによってボリュームの見込みが立てられると思います。

仕入においては、どのような商品を、どこから、どのタイミングで仕入れるか、販売計画等と擦り合わせる必要があります。

そして、販売する上で売上代金の回収サイト(期間)と仕入代金の支払サイト(期間)をどれぐらいの長さにするのか、日々の資金繰りを安定させるためにも重要な事項です。

 

売れ筋商品・サービスを把握し、注力ポイントをデータで、一目でわかるようにするためにはデータ管理が必要。そのような時に、「ウランバ!!」(http://www.uranba.com/)をお試しください。

.

執筆者:取材の学校 ライター 村田 朗

公認会計士、中小企業診断士、販売士1級、登録政治資金監査人。

1986年大阪府大阪市出身、東京都港区在住。大阪市立大学経済学部卒業後、大手監査法人に入所。上場企業の監査を中心に、製造業、小売業、医薬品業、金融業、学校法人などの監査業務に従事。「継続は力なり」をモットーに、会計・税務・資金調達の面からコツコツ努力する経営者の方をサポートできるよう活動中!