【ここをチェック!】三回シリーズの第一回です。

「うちの製品はいいはずなのに」、「うちのサービスはいいはずなのに」なぜか売れない。そんな悩みを抱える経営者様は数多くいらっしゃいます。ではなぜ売れないのでしょうか。企業のコンサルを行う経験から、今回はその中でもまずチェックして欲しい3つのチェックポイントをあげました。

#1:お客様に良さが伝わっているかをチェック

最初に気を付けたいポイントは「良さ」がちゃんと伝わっているのかということ。

例えば、私がコンサルに入った整体院では「骨盤矯正」をアピールしていました。一般の人からすると「矯正=痛そう、産後の女性がするもの」といったイメージを持ちます。しかし、院長に話を伺うと、「骨盤矯正=痛みをとるもの」だったんですね。腰痛を持っている人には根本的から治すことができるんだそうです。

腰痛で悩んでいる方からすると、それが治るのは嬉しいこと。でも、一般の人からは「骨盤矯正=腰痛が治る」とはイメージできません。良さがちゃんと伝わっていないんですね。そこで「腰痛改善の骨盤矯正」とし、患者さんにとってのベネフィット(利益)が分かりやすい表現の提案をしました。

もう少し踏み込んでいうと骨盤矯正は痛みを取る為の手段ですね。いくら手段を伝えても、お客様からすると、「じゃあ、その手段で、どうよくなるのか」が重要です。御社でも同じようなことはありませんか。特に医療関連サービス業や製造業は、手技や機械のスペックをアピールするに留まり、結局お客様にとってどんないいことがあるのかまでアピール出来ていないことがよくあります。

 

#2:お客様のニーズが変化していないかをチェック

ニーズが変化したということもチェックしたいポイントですね。せっかく、製品やサービスが良くとも、ライフスタイルの変化等でニーズが変わってしまうと売上は上がりません。

例えば、蚊帳(かや)。昔は一家に一張りはあったようですが、網戸やエアコンが普及し、ニーズが低下したことで姿を消しました。しかし、蚊帳生地の通気性・吸水性・速乾性を活かしてふきんとして製品化されています。人気が高く、今では駅ビルやデパートに出店されているほどです。

実際にコンサルで伺うと、確かに昔は必要でも今では需要がなくなり、どんどんマーケットが収縮している製品を扱う企業があります。そういった場合は、材料や技術の良さを洗い出して他に展開できないか考えていきます。

ニーズが変化した場合は、良さを他に応用できないか検討することも重要ですね。

 

#3:お客様目線で製品・サービスをチェック

お客様目線で見ると、製品・サービスがいいとは言えない場合があります。

先日、「看板をつけて集客したい」と、とある方を通じてご依頼を受けて伺った飲食店はまさにそのタイプでした。午後2時過ぎ、お客様はゼロ。お店を訪問すると店主と女将さんは店の奥にある住宅部の居間から出てきました。表には営業中と書かれているはずが、お店の電気は消え、カウンターの上にはまだ洗い終わっていない食器とインスタントコーヒーの瓶と急須がありました。

話を伺うと、「大通りに面しているので、そこそこ新規客が入るもののなかなか常連が増えない。だから看板をつけてお客様を増やしたい」ということでした。また、「せっかく食事を出しても、お客様はすぐに食べずに新聞や雑誌に夢中。せっかく美味しい物をつくっているのに。」とぼやいていました。

この記事をお読みいただいているみなさんはお気づきですか。

飲食店でカウンターの上に洗い終わっていない食器。提供する食事と関係のないインスタントコーヒーの瓶、急須も置きっ放し。そんな場所で食事したくないですよね。しかも、お客様もすぐに食事をしはじめない。美味しい物ならそんなことはしないですね。きっとその食事の味は店主が思うほど美味しくないのでしょう。

お知り合いで辛口コメントをしてくれる人はいませんか。一度、製品・サービスが本当にいいものなのか感想を訊くのも手ですよ。

 

以上3つのポイントをあげました。売上が上がらない時にチェックしてみてくださいね。もちろん、販売管理は「ウランバ!!」で。

【ここをチェック!】第二回では値下げする前に確認したい3つのポイントをお届けします。お楽しみに。

 

執筆者:取材の学校 ライター 川崎朋子

中小企業診断士・経営コンサルタント。

外資系製薬会社でMR(営業)として勤務し数多くの営業成績を残す。営業経験を活かし、マーケティング・営業戦略の立案、新規事業戦略の立案を行う。売上向上を目指す経営者のためにコンサル・セミナー・取材&執筆と日々奔走する。

大好きな食べ物は肉。取材の学校では肉部部長としても活動する。