今年の流行語大賞にもノミネートされるのではないか?というくらい、「働き方改革」という言葉がTVや新聞を連日賑わしています。プレミアムフライデーなどもその関連ワードの一つでしょう。同時に、「健康経営」という言葉も聞くことが多くなりました。

「健康経営」とは、その登録商標を有する特定非営利活動法人健康経営研究会よると、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できるとの基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践すること」とされています。

今日はそんな「健康経営」について、考えてみたいと思います。

#1:社員が元気になると・・・?

これまでの社員の健康管理は、健康診断などを通じた、病気の発見と治療に重点が置かれているいわば、病気になってからの「事後措置」的なものでした。最近会社に、病欠の人が増えたり、元気のない社員はいたりしませんか?こうした社員の存在は、本人の仕事の生産性が上がらないことや休んで仕事が止まる直接的損害もさることながら、周りのフォローや得意先からの失注など間接的損害はその数倍にも及ぶといわれています。

こうしたこれまでの事後的な健康管理ではなく、一歩進んで、社員の健康に投資し、相乗効果の発揮を目指す考えを実践することこそが、「健康経営」なのです。

健康な社員は、その元気な存在が周りを明るくしてくれます。そして明るい雰囲気は、直面する様々な困難にも力強く打ち勝ち、豊かな発想を生み出して新たなステージへのエンジンになることでしょう。

#2:具体的には、どんなことをすればいいのか?

このようなよいことづくめの、「健康経営」ですが、何からすればいいのでしょうか?

まず、やはりトップが「社員の健康を第一に願うこと」の意思表示が大切です。トップの意思表示の元、社員が元気になることを考え実践してみましょう。健康づくりの担当者を任命し、グループでいろいろなアイデアを出すことも、社員の健康への意識を高めるためにはとても効果があります。

実践例としては、食堂に体組成計や血圧計を配置、ラジオ体操の導入、階段を使って歩くことを推奨、歩数計を使ったグループ別月間歩数コンテストの実施、自動販売機やオフィスグリコなどのオフィス設置の菓子に野菜ジュースや健康に配慮したものを導入する、喫煙率を「0」にするための禁煙外来への補助、家族も含めたインフルエンザ予防接種の受診啓蒙と金銭的サポート、などが考えられます。会社の規模や、社員の状況に応じてまずは無理のない範囲から始めてみましょう。

加入している健康保険組合に問い合わせるのもよいでしょう。一例として、中小企業が多く加盟する協会けんぽでは、「健康企業宣言」を通じて健康づくりをサポートしていますので、こうしたプログラムを活用するのもよいでしょう。

元気になった社員は、たくさんの売上を上げてくれることでしょう。販売管理は「ウランバ!!」で。

※健康経営は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
※健康企業宣言は、全国健康保険協会の登録商標です。

 

執筆者:取材の学校 ライター 屋代勝幸

中小企業診断士 第一種衛生管理者 会社の健康研究所代表

千葉県出身 1967年生まれ 東京都葛飾区在住

大学卒業後、食品・機械部品・外資系消費財メーカーに勤務。営業・営業企画・広報・宣伝・商品企画・調達・人事・総務の各部署を経験。組織力向上、業務プロセス改善、ファシリティ管理、購買管理を得意とする。ミラサポ専門家。東京都中小企業診断士協会 城東支部地域支援部で活動中。