【ここをチェック!】シリーズ第2弾の最終回になります。前回に引き続き、営業の基礎について見直します。今回は特に「BtoC」の営業について押さえてみましょう。

#1:BtoCの特徴は?

前回、BtoBの特徴として、購入の意思決定者が複数であること、購入までの期間が長いこと、取引単価が高額であること、リピート率が高いことなどをお伝えしました。それではBtoCの特徴にはどのようなものがあるでしょうか。対象となる商品・サービスは家電や新聞、保険、車など、個人消費者が購入するもの。BtoCは対個人向けの取引ですので、購入の意思決定者は個人です。また、購入までの期間は通常その日のうちか、長くても数日程度です。そして、個人が購入するものですので、住宅などの例外は除いて、単価はそれほど高額にはなりません。といったように、BtoBとはほぼ真逆の特徴をもっています。

 

BtoBとBtoCの比較を以下の通り表にまとめました。

 

BtoC(個人向け取引) BtoB(法人向け取引)
営業相手 人、組織
購入決定者 複数おりプロセスを踏む 個人
購入までの期間 長い(数ヶ月単位) 短い(即日〜数日単位)
単価 高額(数百万円〜数億円) 低額(〜数百万円)
購買決定要因 安心、信頼 価格、品質、スピード
リピート率 高い 低い
広告宣伝費のウェイト 低い 高い

 

ここで一つ、BtoCの最大の特徴として、広告宣伝費のウェイトが高いことが挙げられます。以前、「消費者の購買パターンを把握しよう」でもお伝えしたとおり、消費者は個人の感情で購入の判断をする傾向があります。したがって、BtoCでは広告宣伝などのマーケティング活動に注力し、興味を持ってもらったり、欲しいかも?と思ってもらったりすることが重要になってくるのです。

 

#2:具体的にどうやって営業活動を行うべき?

それでは、BtoCの営業では具体的にどのようなアクションを行うのが良いのでしょうか。繰り返しになりますが、個人消費者は感情によって購入の判断を行うことが多いですので、お客様との人間関係の構築といった面がとても重要になってきます。一方で購入決定までの期間は短いですから、お客様の悩みに対して共感する、成功への道を示す、お客様の背中を押してあげる、あるいは、好奇心を刺激する、などのトークを、対面したその場で行うことが求められます。

 

そのためにはお客様の嗜好やニーズ、時には悩みなどを、効率よく引き出す必要があります。そこで有効なのが、拡大質問と限定質問という2つの質問手法です。

 

拡大質問とは、お客様がフリーで回答できるような質問です。例えば、「どのような商品をお探しですか?」「〇〇とおっしゃいますと?」など。営業トークの導入時や、よく話してくれそうなお客様の場合にとても有効になる質問手法です。一方、限定質問とは、単語、あるいはYes、Noで回答できるような質問です。例えば、「明るい色と暗い色ではどちらがお好みですか?」、「運転はお好きですか?」など。こちらはお客様があまり話に乗ってこない時、新しい話題に切り替えたい時、より具体的な話題に切り替えて話をリードしていきたい時に有効です。

 

これらの質問手法を巧みに使ってお客様のニーズを引き出し、自社の商品・サービスのメリットがそのニーズにマッチすることを示して売上につなげましょう。「欲しい!」と思ってもらうためには、商品・サービスの特徴を説明するのではなく、お客様にとっての利点を説くように心がけることが肝要です。

 

そして、仕入管理、在庫管理や売上管理などの販売管理には「ウランバ!!」を活用すれば、社内のバックオフィス業務も効率的に行うことができますよ。

 

執筆者:取材の学校 ライター 荒井由紀子

神奈川県横浜市出身。中小企業診断士。二児の母。早稲田大学理工学研究科修士課程修了後、国内製薬会社に入社。臨床開発モニター、臨床開発プロジェクトマネジメントに携わる。産休・育休取得を経て職場復帰したのち育児に専念するため退職。専業主婦となる。その後次男の幼稚園入園を機に中小企業診断士として独立。現在は会社員時代の経験をベースに、子育てという精神修行の世界に没頭した経験から得られた視点を活かし、セミナーや執筆、経営コンサルティングを行なっている。