昨今の人材不足。若手の採用、育成も悩ましい課題ですね。

最近の新入社員は、かかってきた電話を取れない、パソコンで資料を作れない、などベテランから見るとビックリすることがあるそうです。しかし、頭ごなしに叱ったり、細かく指示だけしていると、ますます指示待ちになり、やる気もなくしてしまいます。

では、若手をやる気にさせるには、どうすればいいのでしょうか?

まず、やれば出来る状態にする。つまり「教育」が必要です。仕事の目的・意義を理解させ、仕事のやり方を教える。当たり前と思うことでも、仕事上のハードルを1つずつ減らすことが大切です。

その上で、やる気にさせる「フィードバック」について考えてみましょう。

フィードバックには、①事実を伝える、②内省や行動を支援する、という2つの段階があります。結局、人が行動を変えるのは、自分で納得したとき。フィードバックとは、指示ではなく、自分で考えて行動を決められるように支援し、やる気にさせる取り組みです。

#1: 事実を伝え、気づきを与える

問題や気になることが起きたときは、まず事実を伝えます。すぐに叱ったり、改善の指示をすると、相手を否定したことになり、伝えたいメッセージを受け取ってもらえません。

ここでは、客観的かつ具体的に伝えるのがポイントです。

「~~することになっているけど、現在は~~だよね。」などと伝えて、相手が客観的に現状を理解できるようにします。良い、悪い、といった評価はしません。「~~した方がいい」という表現は指示に相当し、フィードバックには逆効果となるため、避けます。

短時間で伝えることも大切です。「ちょっと気になったことがあるんだけど、〇分くらい話をしてもいいかな?」など予告した上で、ポイントを1つに絞って伝えます。

相手が反論したときは、否定せず、まず受け止めることが大切です。下手な同調は不要で、冷静な事実確認に徹します。「なるほど、そう考えているのか」と観察者の立場に立てば腹も立ちません。1回で結論を出す必要はありませんし、具体的に話してもらえば、次の手がかりになります。

また、フィードバックしやすい雰囲気づくりのためには、日ごろからの声掛け、会話で信頼関係をつくっておくことがとても大切です。忙しくても1日1回は、挨拶に加えて、何か仕事の話題を振ってみましょう。ティータイムなど、笑いながら話せる休憩時間を作ってもいいですね。

 

#2: 内省や行動を支援する

事実を伝えた後は、今後の行動変化を起こすための支援をします。まずは、出来ている部分を褒めて、さらに良くする方向で話し始めます。

ここでは、相手が主体的に考えるために、質問することがポイントです。

これから「どうしますか?」「どう考えますか?」など質問して、自ら次の行動を決めるように促します。難しく考えているようなら、問題を分解して考えるように促しましょう。すぐ出来ること、長期的に取り組むこと。自分で出来ること、他人の支援が必要なこと。など分けるためのヒントを出してもいいですね。

 

事実認識を合わせた上で、主体的な内省や行動を支援するフィードバックは、部下育成の有効な手法として注目されています。結果を急がず長期的視点で、若手のやる気を引き出してみませんか?

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執筆者:取材の匠 ライター 川原茂樹

中小企業診断士

広島県出身。IT企業で半導体、ネットワークなど様々な技術分野の開発、商品企画・マーケティング、アライアンス、知財などに従事。現在は業務分析、業務改革支援などのコンサルティング業務に従事している。

趣味は、複数の公共図書館を活用して多読すること。“図書館マニア”でもある。