広告宣伝は、マーケティング活動の一つであり、商品やサービスを販売していく際に欠かせません。しかしながら“なんとなく折り込みチラシをしている”、“とりあえずホームページは作っている”、など戦略のない広告宣伝を行っている企業が少なくありません。

「中小企業実態基本調査」(平成28年確報、中小企業庁)によると、中小企業の平成27年度決算実績における営業費用に占める「広告宣伝費」の割合は、小売業で1.2%、宿泊業・飲食サービス業で1.1%、情報通信業で1.0%、生活関連サービス業・娯楽業で1.0%、製造業で0.3%、卸売業で0.2%となっており、特に、小売業やサービス業など、BtoC(対個人顧客)とよばれる業種で割合が高くなる傾向にあります。これは、広告が個人顧客の購買行動を促す重要な要素の1つであることを示しており、戦略的に広告宣伝を行えば、売上や集客に結びつくと言えます。

広告宣伝のプロセスは、実にシンプルで「誰に」「何を」「どのように伝えるか」を順番に考えることです。今回は、特に重要な「誰に」「何を」伝えるかについてお話しします。

#1.広告宣伝の基本は「誰に」「何を」伝えるか

「誰に」「何を」伝えるかの整理は、すなわち自社の商品・サービスのもつ提供価値と、それに共感してくれる顧客のニーズ(欲求)を知ることです。提供価値とはいわゆるセールスポイントのことです。

大辞泉によると、セールスポイントとは、『商品の販売に際し、特に客に強調できるような商品の特徴』を指します。ここで注目いただきたいのが、「特に客に強調できるような特徴」という点です。「うちにはセールスポイントがたくさんある!」とおっしゃる方の中には、顧客にとってあまり魅力的でなかったり、他社でも言えてしまうような内容を挙げていらっしゃったりする方もいます。このように独りよがりな視点に陥らないために、「3C分析」を活用して自社の魅力を考えてみましょう。

#2.3つの視点で自社の魅力を捉える「3C分析」

3C分析とは、自社(Company)・顧客(Customer)・競合(Competition)の3つの視点で自社のせールスポイントを導き出すマーケティング手法の一つです。まずは「自社」の視点で商品やサービスの魅力を、ヒト・モノ・カネ・情報の観点から多面的に分析します。

次に顧客の視点で洗い出した魅力を客観的に判断し、顧客にとって価値のある魅力を残していきます。

最後に競合の視点で考えます。顧客が共感してくれる価値でも、競合他社が同じような価値を提供していると、最後は価格競争になりかねません。顧客が共感してくれて、かつ競合他社が提供していない価値、それこそが特に顧客に強調すべき、セールスポイントになるのです。

#3.顧客像を具体化する「ペルソナ分析」

自社の価値を考える際、欠かせないのが顧客の視点です。この顧客像を捉える際に大切なことは、より具体的にイメージするということです。なぜならば、顧客のニーズは細分化しており、ひとくくりにすることが難しいからです。例えば、20代女性の中にも、バリバリ働く人がいたり、専業主婦希望の人がいたり、アウトドア派もいればインドア派もいます。一口に20代女性といっても価値観やライフスタイルは大きく異なるのです。このように顧客像を具体化するために有効な手法が「ペルソナ」分析です。

ペルソナとはラテン語で仮面・人格を表し、ペルソナ分析とは、自社の商品・サービスにとって重要で象徴的な顧客像をつくる手法です。年齢や性別などの属性だけでなく、大切にしている価値観や好みのライフスタイルなど、まるでその人物が実在するかのように具体化します。ペルソナ分析をして顧客を具体化することにより、顧客がどんなことを求め、どんなことに困っているのかがよりリアルに想像しやすくなり、顧客に共感される商品・サービスのセールスポイントが導きやすくなるのです。

ペルソナ分析を行う際に役立つ視点が「セグメンテーション」です。セグメンテーションとは市場の細分化を指し、類似したニーズや性質を洗い出すことです。具体的には年齢・職業などの「属性」、住まいや勤務地などの「地域」、大切にしていることなどの「価値観」、普段の行動などの「行動特性」などを中心に、人物像の特徴をまとめていきます。もし悩んだ時には、まず自社の商品・サービスを一番利用してくれているお得意様の姿を思い浮かべると、ペルソナを作る際のヒントになるでしょう。

このように「誰に」「何を」が整理できると、この後に考えるべき「どのように伝えるか」という手段や表現を、顧客像に合わせて考えることができるため、より伝わりやすい広告宣伝を展開することができます。皆さんもぜひ広告宣伝を考える際は、「誰に」「何を」伝えるか、から考えてみてください。

ウランバの顧客管理を活用すると、顧客情報をデータで把握することができるので、広告宣伝に重要な顧客像を作る際にも効果的です。システムを活用した効率的な販売管理で、売上拡大が期待できるでしょう。

執筆者:取材の匠 ライター 二宮佳代

中小企業診断士

大手総合広告代理店に勤務しメーカーやインフラ会社、地方銀行など多数の企業の広告宣伝や販促戦略に携わる。テレビCMなどのマスメディアから、チラシ・POPなどの販売促進まで幅広く担当した経験から、企業や商品特性に合わせたプロモーション戦略を提案できるのが強み。現在は販促に不慣れな中小企業や店舗に向けたコンサルティングや研修、セミナーなどを行っている。