Webマーケティングとは?

「Webマーケティング」とは何か?デジタルマーケティングやインターネットマーケティングとも呼ばれることもありますが、その包括する範囲が若干異なるだけで、本質はインターネット上に存在する各種ツールを活用したマーケティング活動のことです。

ここで言う各種ツールとは、①ホームページ(オウンドメディア※1)、➁YouTube、facebook、InstagramなどのSNS(アーンドメディア※2)、③Google広告(ペイドメディア※3)を指します。これらを活用し、「一時的に売れる方法」ではなく、「継続的に売れる仕組み」を作ろうという取り組みがWebマーケティングです。

2 中小企業の現状について

インターネットを使って、「集客を図りたい」、「売上をあげたい」と考えている中小企業の経営者様は多く、それを考えなくても良いという経営者はそう多くはないのではないでしょうか?

しかしながら、専属の広報担当者がいる会社ならともかく、本業で忙しく、そのような間接部門に人材を投資できない経営者様が多いのが実態ではないかと思います。現状としては、「ホームページは昔作ったまま更新してない」、「SNSを扱うのも写真のアップが大変」、「広告業者に依頼して、有料広告を出しても、費用対効果があまり良くない」などと成果を実感できない経営者の方も少なくないのではないでしょうか?

3 駆け出し中小企業診断士の事例

そのような中、駆け出し中小企業診断士の事例ではありますが、自作でWordPressという無料制作ソフトでホームページを作成し、認知向上や受注獲得の為に沢山の記事(コンテンツ)を作り、それを拡散(※4)した結果、以下に示すような一定の成果を上げることができました。

また、それをご支援先の中小企業様にも実践し、同様に集客や認知向上に成功しました。その内容について以下ご説明させていただきます。

4 具体的に行ったWebマーケティング活動

(1)コンテンツを沢山つくる(約100記事以上を目標)

対象顧客にとって有用と思われる記事(画像、文章・説明図表などのコンテンツ)を150記事程作成し、ホームページにアップロードしました。このことが、検索エンジンであるGoogleから、当該ホームページ自体の情報価値が上がったと評価され、狙ったキーワードでの検索順位が上がりました。(筆者のホームページでの例では、制作後約1年で「WordPress 中小企業診断士」で検索1位、「中小企業診断士 SEO」で検索7位となりました。)

(2)SNSを活用した当該コンテンツの拡散

私が活用しているホームページ作成ツール「WordPress」には、広報に活用できる無料機能が沢山あります。(①facebookなどのSNSとのAPI連携機能、➁作成したYouTube動画のサイト内へのリンク張り付け機能、③GoogleAnalyticsなどによるアクセス解析機能、④ステップメールの発信機能等)これらを活用し、今度は、そのコンテンツを多くの対象顧客(潜在顧客も含む)に見て貰えるように積極的に拡散しました。

(3)結果

これらを行った結果、診断士としての業務の直接受注、各種問い合わせ、「ホームページ見たよ」などの認知向上を図ることができました。

導入前に、期待される成果を数値で表し納得してもらうことが重要

5 Webマーケティングにおける成果とは?

では、Webマーケティングの「成果」とはどのようなものがあるのでしょうか?客観的な数値で測定可能なのでしょうか?答えは下記のとおり、直接的な成果と間接的な成果に分けられると思います。

(1)直接的な成果

・問い合わせや購買依頼(コンバーション)

「ホームページを見て電話しました」、「ホームページを見て購入を決めました」などの数値。

(2)間接的な成果

・ホームページへのアクセス数の増加数

訪問者数や、閲覧ページ数などの増減。Google AnalyticsやSearch Consoleでのアクセス解析ツールで測定可能。

・検索されたいキーワードでの検索順位の向上

ホームページの閲覧者が増えていくと、一般的に、検索エンジンであるGoogleか

らの評価が上がり、自社に関連する商品やサービスの名称(キーワードと)などでの検索順位が上がります。このことにより、クリックされ易くなるメリットがあります。

このように、成果とは、直接的に購買・問い合わせに結びつくことだけでなく、インターネット上で購買探索活動を行う人に見つけられ易くなるなどの間接的な効果も含まれます。これが、一時的ではなく、継続的に売れる仕組みへの土台造りと言えます。この土台づくりも成果として認識すべきです。

6 ITツール導入という観点からのWebマーケティングについて

このように客観的な数値でも把握できるWebマーケティングですが、そのツールとなる自社ホームページの作成やSNSの開設は立派なITツールの導入です。

ITツールの導入にあたっては、その導入によって得られる効果(「期待効果」)を導入前に把握できるようにすることが重要です。

今後、該当する検索キーワードでの1位やトップ10位まで掲載されると、どれくらいの広告効果があるかということまで金額換算できれば、IT導入に関する説得力を持ち、より効果の期待できるIT導入に繋がると考えます。

7 まとめ

以上のように、Webマーケティングは、導入にあたっては、なるべく定性的な数値換算での期待効果を把握することが重要です。

そして、実際のマーケティング活動はコンテンツマーケティングとも呼ばれ、顧客にとって有用な情報を提供し続けることが重要です。しかし、その成果は決して一朝一夕に得られるものでもなく「ジワジワ」と「ジャブを繰り返す」ような姿勢が重要です。

それを繰り返すことによって、いつしか、気づかぬ間に販売促進活動を行わなくても、自然に問い合わせや購入依頼などが来る状況が貴社にも訪れるかもしれません。諦めずに行っていただきたいと思います。

※1 オウンドメディア…Webサイトやメールマガジンなど自社が所有しているメティア

※2 アーンドメディア…評判や信用を得るために活用できるメティア。SNSなど。

※3 ペイドメディア…支払いを必要とする広告出稿により利用できるメティア

※4 拡散…SNSなどを使って記事を多数の人に発信すること

執筆者:取材の匠 ライター 佐久間 俊雄

中小企業診断士

法政大学経営学部経営学科卒。国の認可法人に事務職として21年勤務している。現在は同法人の医療施設で首都直下型に備えるBCP(Business Continuity Plan)の担当をしている。

大学院時代にWordPress(ホームページ作成ソフト)にはまり、以来、ホームページ制作を継続して行っている。作ったホームページは作りっぱなしではなく、マーケティングに活かすをモットーに中小企業の支援をしている。趣味はスポーツクラブでのランニング、サッカーを学生時代より、続けてきており、大学時代には横浜マリノスのプロテストで最終選考に残った経験もある。しかし、その面影薄く、今はダイエットが目標。