目標を立てることは、ビジネスマンも、ビジネスマンでない方も、当たり前のように行っていますが、こんな経験はありませんか?

「新年に目標を立てたが、途中で諦めてしまった…」

禁煙しよう、痩せよう、貯金しよう、などのように新年の目標を立てても計画通りにいかないと感じている方は少なくないでしょう。なぜ上手くいかないのでしょうか。

#1: 自分の目的は何ですか?

 

計画を完遂できない大きな理由は、「目的があいまいだから」だと考えられます。新年の目標を例にとると、「新年だから目標を立てる」「周りの人がやっているから目標を立てる」などと考えて、目標を立てている方が多いのではないでしょうか。このような目標や計画には、自分の目的がありません。さらに言うなら、時間や他人などの外部環境に目標を決められています。目標や計画を立てるうえで最も重要なことは、「自分がこのようになりたい」という自分の目的に沿った目標・計画を立てることなのです。

目的は、その名の通り「的(まと)」です。「このようになりたい」という的に狙いを定めないと、考え方や行動にブレが生じます。ブレないために目的は必要なのです。一方、目標は「標(しるべ)」です。目標はあくまでも標であって、ゴールではありません。目標を達成することは大切ですが、目的に向かって進むことのほうが大切なのです。

組織の場合、経営理念、社是、クレドなどの組織の目的を従業員が十分理解したうえで、その目的に沿った目標を設定することが重要です。ただ、上司から部下に対して目標を与えるのは良いとは言えません。自分たちが目的を意識して、目標を設定しないと、新年の目標のように外部環境に目標を決められているようなものなので、目標や計画に対する動機を高めることができないのです。

 

 

#2:「SMARTの法則」を満たす目標を

 

目標を達成することよりも、目的に向かって進むことのほうが大切だと言うと、「目的があれば、目標はなくてもいいのでは」と思うかもしれませんが、目標は必要です。目標設定の際に役立つフレームワーク「SMARTの法則」から、目標のあり方を考えてみましょう。SMRATとは、次の5つの英単語の頭文字をとったものです。

・Specific:具体的であること
・Measurable:測定可能であること
・Achievable:達成可能であること
・Related:関連性があること
・Time-bound:期限があること

「Related」は、目的と関連した目標を立てることです。前述の通り、目的を定めて、その目的に沿った目標を決めることが重要なのです。「Specific」「Measurable」は、目標を具体的な数字で示し、目標への達成度合いを測定可能にすることです。目的は抽象的なので、具体的な目標を立てて標にするのです。目的への進み具合を測るのが目標です。「どのくらいできているか」が分からないと、「どのように改善すればいいか」を考えることができません。次の行動を決めるうえでも、目標は具体的で測定可能である必要があります。「Achievable」が意味するのは、次のようなことです。達成できない目標では、最初から目標を達成できなくても良いと考えて、目標達成に対する意欲が低下してしまう可能性があります。また、いつも目標を達成できない場合、負け癖がついてしまう可能性もあります。達成可能な目標を立てることも必要なのです。「Time-bound」は、いつまでに何をするという行動を決めるうえで必要です。ただ、期限が遠すぎる目標を設定して、目標に固執すると、柔軟に対応できないケースも出てきます。期限を遠くにしすぎないこと、目標に固執しすぎないことが重要です。目標は標です。標の間隔が離れていると、進むべき道を見失う可能性があります。また、目標達成はゴールではありません。目標の達成度合いから、問題点を把握して、改善策を練って、次の行動に移すことが重要なのです。

販売管理クラウドサービス「ウランバ!!」では、予算目標とその実績を管理することができますので、問題点把握、改善策立案に役立ちます。自分の目的に沿ったSMARTな目標を設定して、ワンランク上の目標管理にチャレンジしましょう。

 

 

執筆者:取材の学校 ライター 梅津勝明

1972年生まれ。大阪大学基礎工学部物性物理工学科卒業。中小企業診断士。

主に起業・創業の支援、組織・人事の改善に従事。自分らしく生きやすい、個性豊かに生きやすい社会を目指して、組織のあり方、仕事のあり方、人のあり方について研究している。中小企業診断士として活動する傍ら、影絵師としても活動中。影絵劇を通して、人それぞれの感じ方、考え方があることを伝えている。